山小屋のおじさんの独り言③

私はここヘリテイジ美の山に来る前、山屋(沢登り)のはしくれでしたが、勤務が決まった時、「あー、これでしばらくは山に行けないなあ、残念・・・。」と落胆しました。

ところが、朝となく夜となくここで過ごしているうちに、毎日の風景の違いにびっくり。冬の展望がきく頃は玄関の正面に上越谷川岳の双耳峰(オキの耳とトマの耳)が見えたかと思うと、雨の日は雲の中で駐車場のガードレール(ほんの30m先)が見えないこともあります。そんな美の山にいると、毎日風景を変えて山が向こうからやってくるような感覚になり、これは不思議な感覚だと思うようになりました。山登りは自分が動いて風景が変わるわけですが、その逆の経験に新鮮さを覚えました。

展望の良さ、心を洗われる閑静さ、生き物の息吹き、目を洗われる花や緑など山の表情はそれぞれですが、都会にはない魅力があります。みなさん、「静寂」を聞いたことがありますか? 心がリセットしますよ。

全室、展望の良い当館ならではの魅力です。